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徒然なるままに日暮らしブログに向かいて...

R25 にインタビューが掲載されました

R25: ネットで起業ってまだ間に合うの?

先日、R25 から取材を受けてインタビューを受けたのですが、そのときの話が記事になりました。

ネットの常識・非常識:ネットで起業ってまだ間に合うの?

最近、IT ベンチャーってどうなの?って話を聞きたいということでした。わたしのまわりの話なので、ある意味狭い世界の話ではあるんですが、日本では公開企業の株価が下がり出口の期待リターンが縮小、一方、Web 2.0 ブームで投資時点の株価は相対的に高くなっていたので、投資が難しくなっていたところにリーマンショックがダメ押しで資金の流れ、全般の話としては投資は縮小してしまったと思います。とはいえ、個別には元気な会社もあって、絶滅してしまうという話ではないと思います。

過去にも不況の時期はありました。わたし自身はこの世界にはいってから二回目の不況になるんですが、不況期は新しいことをする時期だと思っています。前回の不況、生き残った会社は強い会社になりましたし、不況期に作られた会社は、好況時のチャンスを掴んで一気に成長したりしました。また、不況の時期はいままでのやりかたがうまくいかなくなる時期でもあります。新しいやりかたの提案は効果的であれば受け入れられやすいと思っています。

また、ITベンチャー、ネットベンチャーといわれている会社だけでなく、最近はいろんな意味で新しいことをしやすくなったと感じています。情報の収集もやりやすくなったし、実験的に新しいことを始めるためのコストはそれほどかからず、実際に試したなかから新しいビジネスのタネも見ることができます。例えば、私が社外取締役をしているビート・クラフトでは、ソフトウェアだけでなく、gumstix を使って新しいオリジナルハードウェア bc9 の製作をやっていまして、実際に開発したハードウェア上で Android のブートを成功させています。オリジナルのハードウェアを製作しようとすると、いままでは多額の投資が必要でしたが、いまならやる気と技があればできるわけです。

わたし自身の例でいうと、もう5年前になるわけなんですが、ブログの関連サービスを作るのに、プロトタイプは数日で作り、実際にサービスとして公開していますが、当時から自分のおこづかいの範囲でやっています。いまだ自宅サーバで運営していますが、いま作るなら、スケールさせることを考慮して EC2 や Google App Engine とか使って作っていたでしょうね。こういうことをサクっと始めやすい世界になってきていると思います。こういった背景から、米国では、ベンチャー投資を受けないで新しい事業を起業するひとたちも増えていると聞いています。

不況の時期、夢のような話に乗ってくる人はなかなかいません。大きな話をどかんと大きく始めるには厳しい時期かもしれません。しかし、別に大きな資金を集めなくても新しいことを始めることは可能です。単純にあきらめてしまうのではなく、大きな夢も小さいところからコツコツと積上げて、実現に近づきチャンスが到来するまで磨いておく、といったアプローチもあると思います。不況ですから遊ぶ時間を減るかもしれません。ある意味、いい時期だと思います。