dh memoranda

徒然なるままに日暮らしブログに向かいて...

LifeHacker に紅茶の記事を書きました

わたしは、去年から LifeHacker の編集委員をしているのですが、先週、紅茶に関する記事を書きました。

美味しい紅茶の淹れ方 - lifehacker.jp

ご意見歓迎と書いたところ、ブログやソーシャルブックマーク、コメント欄でいろいろ意見をいただいたので、まとめてお返事してみたいと思います。

まずはコメント欄

匿名さん

イギリスに住んだことのある人間からすると疑問に感じます。
水道水が硬水であるイギリスの方が、日本で飲むよりおいしいと感じる人は多いと思います。
どういう硬度の水が合うかは、茶葉によるようですよ
http://liyn-an.com/tea_room/mag/club-bak/m0000016.htm

イギリスに住んだことがないのですが、紅茶のブレンダーは販売する国で標準的に手にはいる水にあわせてブレンドをしているそうです。なので、イギリス向けの紅茶を日本で同じように飲むのは難しいのではないかと思います。

ちなみに、なぜ軟水がいいのか、には諸説ありますが、軟水のほうが、紅茶の旨味成分の抽出がうまくいくそうです。わたしも硬水、軟水の議論は気になって、散々試しましたが、むしろ味以上に水色が違うほうが気になりました。軟水のほうが綺麗な色がでましたね。しかし、これも個人の好みの問題でしょうね。

mizuki さん

紅茶を深く知るならストレートで飲むのが一番
貴方はもう少しアッサムやウバについて知るべき。

そうですね。もっと精進したいと思います。わたしは茶葉に好き嫌いはあまりなく、アッサムやウヴァも大好きです。どれくらい好きかというと、わたしの個人のブログ (dh memoranda) のドメイン名が uva.jp であることでもおわかりいただけるかと思います :-)。で、アッサム、ウヴァを含めたセイロンティーも含めて、どれも基本的にストレートで飲みます。ウヴァの渋みもたまらなく好みですが、万人にはお勧めしません。もちろん、気分に応じて、ミルクや砂糖を入れますよ。

ということで、やはり、茶葉本来の香り、味を知るにはストレートがベストかと思います。もちろん、紅茶は嗜好品ですので、自分の好みを優先してください。ミルクや砂糖、他のフレーバーで変化を楽しむことができますし、それも楽しみかたですので否定しませんし、わたしもそういう楽しみ方を知って、もちろん楽しんでいます。

笑蔵さん

2点ほど、水道水は5分以上沸騰させる。ポットは外側をあたため内側は乾かしておくです。

個人的には、温度を十分に確保するために一定時間の沸騰は必要ですが、それ以上は燃料の無駄だと思います。そういう意味で10円玉くらい、と表現しました。ポットのあたため方についても温度のほうが重要で、外側、内側どちらでもかまわないと思いますが、内側を温めたほうが、温度としては有利だとおもいます。また、mizuki さんからジャンピングについて指摘されていますが、わたしはジャンピングは気にしていません。ジャンピングさせたいなら、ケトルからポットに勢いよく注ぐほうがおきやすいですが、温度のほうが重要だと思いますし、濃淡のむらが気になるなら、最後に混ぜればいいかと。

はてなブックマークからもいくつか抜粋します。

Masanovskiさん

『お好みでミルクや砂糖などを加えるといいでしょう。』皆がレモンティーについてどう思っているのかちょっと聞いてみたい。/アレはジュースの一種だと思ってる

フルーツフレーバーティーをがんばって作るよりも、フルーツをあてにして普通にいれた紅茶を飲むほうが好きです。

kuippaさん

紅茶屋としてはブックマークせざるをセガール。  ま、なんていうか、あちこちに乗っている紅茶屋の文を切って合せましたねっ キリッ 10円だま沸騰と軟水の主張は相いれないものがある。

おお、プロの方ですね。よろしくご指導ください。いろんな紅茶屋さんに出入りしていましたので、ご指摘のとおり、いろいろな知識がまじっていますが、もうこの数年はまったくご無沙汰なので、手元に資料も残っていません。ということで、期待にそえず残念ですが、今回は完全な書下しです :-)。

ちなみに、知識は紅茶屋さんからだけではなくて、荒木安正さんの「紅茶の世界」を始め、いろんな本も読んで勉強もしました。おっと、紅茶の世界は新訂版がでていますね。

恥を忍んで書かせていただきますと、昔は、やれゴールデンルールだとか、ゴールデンドロップが云々とかそういう知識ももっていましたが、いまはすっかり反省して、今回のように紹介しています。

ご指摘の軟水と沸騰ですが、最近の紅茶は、特に高級品で比較的発酵度の低いものが出回っているようですが、そういう嗜好品は別にして、日本向けとして売られている普通に手に入れられる茶葉だと、軟水でかつ完全に沸騰させて温度を高くするのが、一番美味しくいただけるものと思っています。もちろん、茶葉によってはベストではないでしょうから、そのあたり、細やかにされているプロの淹れる紅茶には敵わないでしょう ;-)。

finalvent さんの日記無粋に」 から

紅茶を美味しく飲むコツとなると、よい茶葉で上手に入れて、よいカップで飲むこと。カップが悪いと紅茶は美味しくない。たぶん、唇の感触と、空気のまざり具合と、香りの立たせが関係しているのではないかな。

カップも大切ですね。しかし、茶葉がよくても淹れ方で台無しにすることもできますので、淹れ方はより大切だと思います。紅茶のカップは、マグカップよりは、いわゆるティーカップがいいと思います。口が広いほうが香りが広がりやすいことが重要かと思いますし、マグカップだと、唇を火傷しますね。紅茶の渋みは舌だけでなく唇でも味わうものであるので、ボーンチャイナの口当たりのよいティーカップが好みです。

美味しいのをと思ったら、もうちょっと高いのがよい。それとダージリンの場合は農園で選ぶとよい。つまり、農園がどういうポリシーで紅茶を作っているかわからないと選べない。

美味しさは個人の嗜好に大きく依存していますが、個人的には100gで1000円を越えたところからが、嗜好の範囲だと思っています。逆にいうと 100gで1000円くらいの紅茶であれば、技量でかなりの美味しさを引き出せると思います。そして、高級品にチャレンジするのは、それなりの淹れ方を身につけてらかのほうがいいと思います。

また、ダージリンに限らず、セイロンだろうがアッサムだろうが、農園で選ぶことができるなら、自分の好みにあわせたものを農園で選ぶといいですね。さらにいうと、農園だけでなく収穫時期や茶葉の程度も重要ですね。また、お店によって保存の程度も違いますので、現物をチェックして購入しないといけません。ほとんどのお店は真っ当な商売をしていることは理解していますが、サンプルとは違う古い茶葉を掴まされたことも何度かありまして、そうやって痛い目にあって善し悪しの見分け方も覚えました。

日本人のお紅茶好みでいうと、マーガレットホープのマスカッテルあたりがよいかも。えっ、これが紅茶!というのを期待したいなら、キャッスルトンのファーストフラッシュとか、紅茶のウーロンを選ぶとよい。
日本人好みというか、緑茶に近い雰囲気を持つ紅茶だと、セイロンティーですがヌワラエリヤもいいですよ。和菓子にも合います。わたしの好みは、ウヴァであったり、ダージリンのセカンドフラッシュだったりしますが。
ああ、そういえば、紅茶の茶葉というのは高級かどうかは、見るとたいていわかります。ファーストフラッシュなら銀針の含有とか、祁門だったらら細かさと艶とか。このあたりは、紅茶店の人が知っているから、最初に100gで2000円くらいと決めて、いろいろ相談して選んでもらうとよいかも。

祁門もいいですね。高級な祁門は高くて、わたしにはなかなか手がでませんが、以前は切らさずに置いていました。

また、高級かどうかはともかくとして、茶葉の見分け方ですが、わたしは、茶葉の状態、特に色を見ます。色で味の雰囲気がなんとなくわかる気がします。高級品については、茶葉の状態、葉の大きさなども見ます。また、品質がいい紅茶かどうかを判断するには、見た目だけでなく香りも大切です。保存状態などは見た目ではわかりませんので香りを確認します。試しに淹れてもらえると、実際の味、香り、水色なども見られていいですが、そこまではなかなかお店にいえませんし、まあ、茶葉の見た目と香りで判断していますが、そこはまあ、これまでにたくさん投資したのでなんとなくわかります。

ミルクはフレーバーの一種。ミルクだけでもよい。 アイリッシュブレックファストを濃いめにいれて温めたミルクを入れるのもグー。 ダージリンのオータムナルにミルクを少し入れるのもグー。 祁門は上等ならミルクは入れない、けど、ダージリンもそうだけど、あえてミルクを入れても面白い。

ミルクティーも好きなのでいただきます。高級茶葉でやるのはもったいないですが、飲み切れず古くなってしまった茶葉はアイスティーにしたり、ミルクで煮出してチャイを作っても美味しくいただけると思います。

と、一部の方のコメントだけですが、お返事してみました。なかなか勉強になりますね。

わたしは、以前は手元のお金の範囲ではありますが、金に糸目をつけないで最高に美味しい紅茶を追求し、高級茶葉を追い求めたりしていた時期もあります。ダージリン、アッサム、シッキム、ウヴァ、キャンディ、ヌワラエリアなどのセイロン、中国紅茶、はてはケニア紅茶までいろいろ飲みました。いい経験です。さんざんに飲んでやっと理解したことは、美味しさは最後は値段ではなく好みだということでした。それからは、どのお茶の味も個性だと思えるようになり、どれも美味しく飲んでいます。

最近はめっきりおとなしく、そこそこに買える紅茶を、いろいろな飲み方、ストレートからミルクやチャイ、夏はアイスティーや水出しで飲んでいます。今回は LifeHacker の購読者を考え、お客さんが来たときなどにも使っている、プロや紅茶を飲みなれている人だけではく、誰が飲んでもそれなりに美味しい紅茶を淹れる方法として、自分の淹れ方を紹介してみました。幸い、気にいっていただけた方もいるようなので、嬉しい限りです。

で、紅茶なので、ほんとうに美味しいかどうかは飲んでみないとわからないですよね。飲んでみたいというひとは声かけてください。難しいお話はなしにして、おいしいお茶とお菓子を楽しむお茶会でもやりましょう。もっと上手いお茶を飲ませてやるという方も、もちろん歓迎しますよ。はい。

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