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徒然なるままに日暮らしブログに向かいて...

次になにをするべきなのか

先日の余市のイベントで、4kさんとお話をしていて、自然と考えがまとまりました。なんの考えか? それは、いま何が足らなくて、次に何をするべきなのか。

答えを先に書くと、ロングテールの中での発見、ディスカバリです。

話は2002年に遡ります。ぼくと余市の出会いは、たまたま一人でお昼を食べに入ったお店においてあった雑誌、もうなんの雑誌だったか覚えていませんが、一人なので手持ち無沙汰にその雑誌をとりペラペラとめくっていたときです。広告だったか、記事だったかも覚えていませんが、シングルカスク余市が「BEST OF THE BEST 2001」を受賞した話がでていました。それまでもウイスキーはたまに飲んでいたのですが、正直なところ日本のウイスキーにはいいイメージはなく、なんとなく敬遠していました。しかし、本場イギリスのウイスキーと肩を並べたどころか追い越したということで俄然興味を持ち、早速ウェブショップで購入しました。飲んでみて、雑誌で見たイメージをはるかに越える、鮮烈で、すばらしい風味(先日のイベントで、余市の海、山、川が育んだ「風の味」だと教わりました)に驚き、早速ブログに書きました。2002年当時のぼくのブログなんて、ちょっとした知り合いしか読んでいませんでしたが、その数少ない知り合いも興味を持ってくれて、やっぱり購入、たまたま違うカスクを買ったようなので、飲みくらべして、さらに驚き唸らされました。

ブログを始めるとき、こうなったらいいな、こうしたいな、と思っていたことの一つに「どんなささいな内容、ディープな趣味でも同好の仲間に出会えること」があります。自分でブログにどんどんと書くたびに、自分のペルソナがネット上に蓄積されていきます。書くときには、調べもしますから、自然に検索もして、結果として、同じ趣味の持ち主が出会うことになります。そうしてわたしにも新しい知り合いがたくさんできました。

しかし、ブログにまだ書けるレベルに逹していない自分の潜在的ななにか、もやもやとした興味の段階では、残念ながら、ネットに広がるロングテールの世界では力不足です。検索のキーワードが見つけられなければ、もしくは相手と違うキーワードを使ってしまったらもう出会いはありません。そうこうしているうちに、ブログの数はわたしの予想を越えるスピードで増加して、あっというまに飽和状態になり、あるはずのもの、見付けたいものを見付けられない世界、もしくは、広大なネット全体をどうにか俯瞰しようとするウォッチャーが跋扈する世界に戻りつつあるようです。

イベントに参加して、ニッカやアサヒビールの人とお話ししたり、初めてお会いする参加者ともお話しているとき、新しい発見、新しい出会いを見つける作業が、いまだ人の手にあるんではないかと感じました。Google だなんだといろんな会社がサーチエンジンを提供しています。しかし、コンテンツの幅もフォーマットも量もどんどん増殖しているなか、満足できるシステマチックな出会いを提供できているサービスはわたしは残念ながら知りません。だからこそ、少数でも丁寧にマッチングさせることに価値があり、ブロガーイベント、勉強会などさまざまなイベントが日々開催されているのだと思いました。そこには新しい発見があり価値があり、主催する人、参加する人もその価値のためにコストをかけているんだと思います。

Web 2.0 ブームでは、コンテンツのパブリッシングコストが大幅に低下しました。このことで、いままではビジネスとして成立できなかったさまざまな分野で、いわゆるロングテール現象が発生して、新しい段階に進めたのではないかと思いますが、一方でロングテールのなかで自分の欲しいものを見つける発見、ディスカバリについてはまだ満足できるレベルのものができていません。なんでもネットにするのがいいことだとは思いませんが、インターネットメディアの特性を活かしたあたらしい発見の方法を提供できると、さらにコミュニケーションが進化するのではないかと改めて思ったしだいです。わたしも考えてみますが、発見、発明した方、ぜひぜひ教えてください。

いや、この話、確か2003年くらいにも、していたんですが、そのときには、まだまだブログの数なんて知れていたので、なんだか「ムー」っと思ったんですよ。いまになって、やっと技術的な問題だったんだなと認識できた次第です。

ということで、話し相手になってくれた4kさん、ありがとうございました。