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「Webキャンペーンのしかけ方」読みました

29man こと渡辺さんから献本いただいた「Webキャンペーンのしかけ方」を読みました。ウェブ広告というかインタラクティブ広告の世界を広げるべくチャレンジし、実績も積みあげてきた4人の視点からみたネット上でのアプローチがさまざまに語られていて面白かったです。単なる商品の告知や機能説明ではない、ネットならではのやりかたがいろいろあって参考になりました。献本ありがとうございました。

本では著者毎に自分のケースを解説しているのですが、個人的に面白かったのは最後のオマケ、座談会です。座談会では海外との比較がなされていますが、大胆にまとめると

  • 予算が少ない
  • 納期が短い
  • 技術先行で発想が弱い
  • というわけで、いろいろ苦労あるね

といっているように思います。読み間違えていたらごめんなさい。

このポイントは、日本におけるネットビジネスの特徴と共通している気がします。「○○という技術ですごいものをつくってください」とか「○○という技術を使うとすぐに簡単に安くできるよ」というハナシは良く聞きますが、それは、その技術が影響する範囲において、現在のやり方と比べると効率が良いですよ、ってことですよね。サービス、プロダクト、ほか何でもいいのですが、ひとつ完成品として一定のクオリティのものを作ったりするためには、それなりの時間、コストが必要で、当然、その技術単体だけでなく、全体として完成度を高めるために周辺についても固めておく必要があります。

ネットというかICTというか、まあいわゆる「こちら側」の世界は、単になんでもお手軽にできる環境としても利用できますが、それとは別に、これまでにない高い質の製品であったりサービスであったりを実現するための環境としても利用できます。もちろん、ビジネスとしてやるときには、理想だけを求めることはしないわけですが、大きな予算、長い準備期間を設定するだけの価値がそこにあるんだとクライアントを説得できるかどうか、別の言い方をすると、クライアントといわれる皆さんに「こちら側」を正しく理解してもらい、さらにその世界に共感してもらうことを含めて求められているんだろうなあ、とおもいました。

まあ、なんかごちゃごちゃと書きましたが、ネットが浸透するに従って、ほかにもいろんなものが質的に転換していくはずで、その転換する世界の最前線にいる著者のみなさんの実例を読んで、いい刺激になりました。改めて献本ありがとうございました。


Webキャンペーンのしかけ方。 広告のプロたちがつくる“つぎのネット広告”
渡辺 英輝, 阿部 晶人, 螺澤 裕次郎, 伊藤 直樹
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