三省堂「デュアル・ディクショナリー」記者発表会にいってきました
「辞書は三省堂」の三省堂が新しい辞書を出版する、という記者会見会場に、流行の(?)ブロガー招待枠で潜り込ませていただきました。創業125周年というお堅い感じのする会社で、記者会見もとても格調高い雰囲気が漂っていました。大辞林とウィズダム英和辞典の改訂、ウィズダム和英辞典の出版の発表するための記者会見です。大辞林という三省堂の看板辞書の出版とはいえ、それだけではわたしが興味をもつ内容となるわけではありません...。
興味深いのは、これらの新しい辞書を紙でもネットでも、同じコンテンツで利用できるところです。なんてことないようにも聞こえるのですが、辞書の編集マスターデータは XML、ウェブを利用した編集フローの導入、紙のほうは XSLT 組版を実現、紙とウェブを同時出版、データをウェブインターフェイスで辞書検索もできてしまうというすばらしいものとなっているそうです。XSLT で自動組版ですよ。すごいですね。
この仕組み「デュアル・ディクショナリー」という名前だそうで、頭の中では簡単にできそうなことですが、実際に作ることは簡単ではなかったはずです。さらに、ウェブのほうは未収録項目やアップデートもサポートしていくそうなので、常に新しい辞書にアクセスできるようになるかもしれないとのこと。すばらしいですね。
この10年間、紙の辞書の売上は30%以上落ち込んでいるそうなんですが、逆に電子辞書は非常に伸びていることもあって、新しい仕組み「デュアル・ディクショナリー」という形を取るそうです。ネットだけでも利用できる仕組みが欲しい気がするのは気のせいかなあ...。ちょっともったいない気がしました。
ちなみに、このウェブの辞書は、紙の辞書を購入した人が利用できるのですが、その認証方法が面白いです。書籍を購入したかどうか、書籍を持っている人でないと答えられないようなクイズで認証した上で、アカウントを発行するそうです。本当にその人が買ったのかどうかを認証するには、これでは足らないような気がするのですが、大丈夫なのかな?
わたしは、広辞苑とリーダーズプラスの電子辞書を、どちらも一万円以上だして清水の舞台から飛び降りる気で購入し、EB + lookup で emacs から利用しています。ウェブ辞書に API でアクセスできるようになったりすると、あんなことやこんなことや...いや、もうちょっと簡単に利用できていいな、と思ったりしました。はい。
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