村上龍 「半島を出よ」
村上龍さんの新作「半島を出よ」がでました。「13歳のハローワーク」の取材と並行して、こちらの取材もすすめられていて「北朝鮮のことを調べているんですよ」とおっしゃっていました。そんなお話をしたらからでしょうか、ある日、オフィスにいくと上下巻セットで送られてきていました。忙しくて、しばらく会社の机に飾っていたのですが、折角の連休なので持ち帰って読むことにいました。で、さきほど読みおわったところです。
「半島を出よ」は2011年という近未来の福岡を舞台にしています。ありえなさそうで、でも、もしかしたら起きるかもというような状況の日本に北朝鮮からお客さんが来てしまうという設定で、ストーリーはとても楽しめました。かなりいろいろな取材をされた結果でしょうか、一つ一つの文章に力が入っているように思いました。武器や設定に非常に凝っているのですが、これとナゾな生い立ちの主人公達の描写のコントラストが妙で、これまで、村上龍の小説、というのは不思議の国のエクソダス、くらいしか読んだことがなかったのですが、トム・クランシーのようなテクノ・スリラーとはまったく違う軍事空想ものの面白さを感じました。
ということで、村上龍さん、楽しい本をありがとうございました。
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