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徒然なるままに日暮らしブログに向かいて...

Sony Dealer Convention 2008

9月13日の土曜日、ソニーのこの秋冬商戦の新製品を一同に集めて展示する Sony Dealer Convention 2008 に招待いただきました。ありがとうございます。

この Sony Dealer Convention 2008 (sdc2008) では単に展示会にご招待していただいただけではなく、同時に開発者セミナーというのを開かれていまして、それぞれ製品の開発担当者の方から開発の経緯や商品の特徴を聞いたり質問したりできました。なんと3トラック x 5セミナーがそれぞれ一時間毎、さらには、sdc2008 の展示会場や、SonyStyle のイベント、昼飯の時間も作らないといけなかったりして、かなり盛りだくさん。ちょっと過密スケジュール気味ではありますが、開発の裏話的なことを聞けたり、なんといっても直接いろんな質問ができたりして、非常に面白かったです。みなさん、いえないことはいえない、とはっきりと言ってくれるので、聞くほうも聞きやすかったです。でも、説明なしに聞くと、ちょっと誤解を招きそうなこともあったりしてようで、運営のみなさまの大変さも垣間見れて、それはそれで非常に興味深いものがありました。

今回、セミナーで特に興味深かったのが、Sountina と KDL-40ZX1 でした。

Sountina は1本100万円のスピーカー。透明なガラスの筒が印象的です。通常の人の身長より高い180cm。このガラスの筒はダミーではなくて、ツイーターになっていて、ガラス自体が振動して音を発生させているそうです。ガラス全体が振動することで360度の線音源となるので、距離が二倍になったときの音波の減衰が通常のスピーカーの点音源の 6dB ではなく 3dB になるので、より広い空間に音を伝えられるそうです。

一本のスピーカーで音の広がりをつくる、ということだったのですが、ガラスを振動させる加振器が複数あって、ステレオ信号も DSP で処理して周波数特性に応じてなにやら処理することで、単純なモノラルでない音をつくりだしているそうです。実際、音を聞かせてもらいましたが、音が広がるという言葉からもっとぼやけた感じの音かと思いきや、かなり解像度が高い音で驚きました。部屋中を歩きましたが、ボリュームを絞っていても、結構部屋の後ろのほうでも聞きとれました。個人的には好みの音です。ガラスは有機ガラスで強度もあるし、割れても飛散したりはしないそうで、安全対策も考えられれている、ということだったので、一家に一台、とちょっと思ったのですが、100万円という価格と180cmというサイズ、ほしいにはほしいですが、これはちょっと、普通のうちにはつらいなあ...。

もうひとつは、KDL-ZX1、今年のソニーの目玉商品といってもいいかもしれない、厚さ 9.9mm の超薄型 BRAVIA です。とにかく外観がすごいです。薄すぎて写真が撮りにくいです。

白色LEDをバックライトにつかってエッジライト方式で薄型化に成功していました。エッジライト方式なら薄くできるとわかっていても、実際に40インチのサイズで商品化までもっていったのはすごいですね。スピーカは台座にいれていましたが、電源は内蔵だそうで、ちょっと厚くなっているところ、といっても2.8cmしかないリアのユニット部分におしこめられていました。このあたりのリアパネルもデザイン上かなりのこだわりをもって作られたそうです。うしろはネジ穴も隠してとても綺麗に仕上がっていました。リアパネルに映り込んでいるのは、一緒にセミナーを受講していたひとたちです。

ここまで薄くなったので、チューナーユニットは別の箱。映像信号は無線で飛しているそうです。無線のほうも聞いてみたところ、5GHz帯で独自方式とのこと。聞いたところ、伝送遅延は 1ms とのことで、ゲームでも使えると豪語されていました。あとで会場で実際に PS3 で遊ばせてもらった感じだと、なんかひっかかる気がしましたが、ゲーム下手なので気のせいかもしれません。帯域は 1ch しか使っていないということなので、普通の環境なら、無線LAN とは共存できそうですね。また、リモコンの受信部はテレビにあって、こちらは 2.4GHz でユニットに伝送しているそうです。なるほど、これがこだわりのリアパネルの秘訣でもあり、モニター部は電源ケーブルしかなくて美しいわけですね。ほほー、と感心しつつ、家に帰って ZX1 のカタログスペックをみていると、モニター部に、HDMI入力端子が一つ装備されているようで、無線だけだとさすがにアレなので、ここはさすがというべきでしょう。っていうか、モニターは舐め回すようにみていたつもりなのですが、どこにHDMI端子があったのかまったく気がつきませんでした...。

今回、リアにこれだけこだわっているのに、壁掛けにもこだわったそうです。専用ユニットを開発して、壁面から5cm以内になるようにしているそうです。壁掛けのときの専用スピーカーも用意していてバッチリです。また、展示会場のほうには壁寄せ型のテレビ台もありまして、日本の住宅事情を考えると、1mmでも薄くて軽いディスプレイへの需要はまだまだあるんではないかと強く感じました。デザイン性にも優れていますし、KDL-40X1000 がうちになかったら buy now していたような気がします。あぶないあぶない。

薄型TVというと、同じソニーからでてきそうな、有機ELパネルが本命かと思っていたのですが、こうも 1cm を切ってくると、液晶もまだまだいけるのかもしれません。この点については、セミナーで質問もでていたのですが、有機ELは映像の再現性が高いので云々という回答だったところをわたしなりに解釈すると、しばらくは、液晶と有機ELは価格の差が大きくて、そのあたりですみ分けするのかもしれません。展示会場では、EL のほうで、0.3mm のパネルも展示していました。ガラスを反らせて展示していましたが、これくらいになると、反ってないと横からみたらわかりません...。画質も悪くなかったですので、将来が楽しみですね。

ほかにもいろいろ盛りだくさんだったのですが、盛りだくさん過ぎだった気もしました。製品を紹介してくれたエンジニアの人も、まだまだ話し足りなかったのではないかと感じることもありました。Dealer Convention があるからこそ、これだけのエンジニアをひっぱってこれたのは理解できるのですが...。来年もありましたら、もうちょっと余裕のあるスケジュールだとうれしいです。

ちなみにお昼はソニーカレーをいただきました。ごちそうさまでした :-)