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徒然なるままに日暮らしブログに向かいて...

技師長が語る特別な登美の丘ワイナリーツアーいってきました

すでに一ヶ月以上も前になるんですが、9月15日の土曜日、サントリーの方々とネタフルさんの誘いでサントリーの登美の丘ワイナリーの見学にいってきました。今回はサントリーさんのご招待ということで、かなり期待して参加しました。一緒にいったのは、モダシンさんマキパパさんdrikinさんの5人のワイン好きブロガー。新宿駅で集合しまして、お弁当を食べながら、好きなだけであんまりわかっていないながらワイン談義で気分を盛りあげつつ一路甲府へ...。

甲府についてサントリーの方と合流したところで、専用バスが待っていました。「技師長が語る特別ワイナリーツアー」文字で見ると迫力があります。ネットで応募された皆様とバスで合流しました。30分ほどバスにゆられて、登美の丘に到着しました。

まずはバスで畑の上のほうまで案内してもらいました。展望台は甲府盆地が一望、雲がなければ富士山もみえる絶景の場所。そこにブドウ畑がひろがっていました。渡辺技師長の案内で畑にはいってレクチャーを受けました。ブドウを作るといっても、単に植えて育てるというだけではなく、土壌の改良からはじめて、苗作り、剪定、一本のブドウの木につけるブドウの房の数、その房の数に合わせた葉の数、一枚一枚の葉の大きさや日の当たり方などなど、あらゆることに気をつかって育てていることを説明していただきました。「よいワインを作るにはよいブドウから」というお話をされていましたが、その言葉を実践して、どれだけの情熱がそそがれているか、とてもよくわかりました。これだけの手間をかけてブドウを作っているんですね。不勉強で知らなかったのですが、登美の丘のブドウは、欧州系のブドウ品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンやピノ・ノワール、シャルドネなどフランスで栽培されているのと同じワイン専用品種。これらの品種を育てるのに適した気候の土地が登美の丘なんだそうです。こうやって聞いていると売られているワインがとても貴重品に感じてきました。一粒いただきましたが、甘くて美味しかったです。

畑の後は、登美の丘ワイナリーの歴史と、ワインの醸造工程を案内してもらいました。フネいっぱいのブドウがどさっといれられるところや、実際にワインが発酵しているところを見学させてもらいました。このあたりにくると、ブドウというかブドウ酒というか、おいしそうな香りでいっぱいでした。

そのあとはセラーの見学。樽熟成しているところ、瓶熟成しているところを通っていきました。入った瞬間、非常に涼しくて気持ちよかったです。ワインのために当然薄暗くて、洞窟のような雰囲気です。ちなみに、涼しいといっても摂氏18度くらい。もっとひんやりした感じでしたけど、いわゆるワインの熟成がほどほどに進む適温になっているようです。

セラーの中をずんずんすすむと、その奥に部屋があり、テイスティングの用意ができていました。今回テイスティングできるのは白、赤、それぞれ3つずつ、計6種類。指定された座席について、技師長の指導のもと、一杯ずつ味わっていきます。さきほどみてきた畑を思い出しながら味わってみます。一気に飲みほしたいところですが、普段に飲むのはワインのボトル半分くらい、一本飲むとかなり酔っぱらってしまうわたしはぐっとがまん、ちょっと口をつけて味わいを楽しみました。しかし、モッタイナイので飲みこんでしまいます。テイスティングを終えてグラスをみると一目瞭然、自分の好みがはっきりしますね。

幸せなテイスティングの後はワインショップにいきました。まだ飲み足りない人は、ここでまだまだテイスティングできますよー、っていわれてメニューをみていると「貴腐ワイン」という文字をみつけてしまいました。そう、登美の丘は日本ではじめて貴腐ワインが誕生した土地でして、あとで技師長にうかがったところ「ブドウを摘みとっているときに地面に捨てられていた腐ったブドウのをみたひとが、これって貴腐だよねえ、と集めて作ったという話があるんですよ、本当かどうか、昔の話なのでわかんないですけど」といっていたくらい歴史があるのです。これがグラスでテイスティングできるというので、ついお願いしてしまいました。

いただいた貴腐ワインですが、濃厚でしっかりとした甘みがなんともいえない味わいでおいしかったです。もっと濃厚な味を期待していないというとウソになりますけど、十分に満足できる味わいでした。貴腐ワインなので、10年単位でもっと熟成したほうが、よりよい風味になるのかもしれませんが、それはやってみないとわからないですからねー。

さらに、サントリーさんの特別のお計らいで、技師長と広報部の方々と一緒にお食事をする機会をいただきました。つれていっていただいた焼肉屋さんには、当然、サントリーのワインがありました。技師長自らサーブしていただきながら、いろいろなお話を聞けて楽しかったです。尽きることのないワインへの情熱を感じつつ、ワインをいただいていい気分です。

自分の味の好みとの差、本場のフランスや他の国々のワインの価格との差や自分の趣味嗜好とあわせると、正直なところ、登美の丘のワインは少々割高に感じました。しかし、畑でみたブドウとそれを育てるための手間暇、収穫後の醸造プロセスを見せてもらったあとだと、あれだけの手間暇をかけた分の価値って計りしれないなあ、と思いました。いやあ、ワインってむずかしい。

ところで、登美の丘にいって一ヶ月ほど、ワイン好きには話題のあの漫画、モーニング連載の「神の雫」にも「登美」が登場していました。

目をつぶりワインを飲むと「おお、富士の霊峰が...」とか言えるようになってみたいものです。