YouTube 日本版の事業説明会
今日はなぜか YouTube 日本版の事業説明会、すなわち記者会見に参加してきました。すでにいろんなところに記事がでていいるので、記者会見の模様はこのあたりでも見ていただければ、とおもいますが、記者会見にいって思ったことをつれづれなるままに...。
記者会見自体は、正直なところ驚くようなニュースがあったわけではなく、強いていうと「ムーディ勝山のムービーは携帯サイトで1.8億回もダウンロードされていたんですが、わたしはムーディって知らなくて...」っていう吉本興業の方のお約束なボケが光っていたくらいなんですが、質問タイムになりますと「JASRAC との交渉はどのように...」と、みんなが注目の著作権絡みの話が中心になりました。
Google からの解答は「いろいろがんばっています。交渉中です。」というのがザックリしたまとめなんですが「Yahoo! Japan はなんか JASRAC とうまくいっているらしいけど、YouTube は...」 という質問などもありまして、そのたびに「がんばって交渉しています」って意味の長い解答がかえっていました。JASRAC との交渉がうまくいっていないようだけどどうなのかなっていうことなんですが、そのポイントは「JASRAC のガイドラインは有人監視で全数監視してほしい」っていうガイドラインに対して「Google はテクノロジーでちゃんとできる。」っていうところで交渉が進んでいないという意味のようです。まあ、動画/音声認識っていったって、想像するだけで現段階では難しいそうです。MADのようなのはどうするんだろう...とかとか。
交渉の行方も気になりますが、わたしからみると結局のところ、ライツホルダーにとっては、自分の作品をどのように活かしていくことができるのか、それが問題なんだと思います。著作権法でも「権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする」と第一条にありまして、わたしが思うに、文化の発展に寄与すべく広く利用しやすいルールを定めて、みんなに使ってもらえるようにしましょうってことなんじゃないかと。インターネットは、デジタル化できるコンテンツの配布コストを大幅に小さくできたので、90年代は夢のサービスだった Video-On-Demand が YouTube という形で実現されてしまいました。技術の革新のスピードがあがり、視聴者のニーズも多様しつつありますが、同時にライツホルダーのニーズも多様化しているんじゃないかと想像します。ビジネスモデルの提案もいろいろあっていいのではないかな。そういう意味では、事業説明会で話されていた内容を思いおこすとビジネスモデルとしては「広告収益」「プロモーションメディア」といった、これまでのメディアビジネスの延長線上の話が中心でした。今回の発表でも、ライツホルダーへの収益機会という意味では、広告のレベニューシェアくらいでしょうか。そうすると、いまのテレビなどと同様の仕組みに近づいていってしまうような気がします。
YouTube は映像コンテンツの発信というサービスを個人にまで広げました。コンテンツ流通ビジネスについても、新しいビジネスモデル、新しい価値の創造をどんどん行ってくれることを期待したいですし、それでもって多様な価値感を共有できるようになるといいな、と思います。
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