Enterprise Watch にインタビュー記事が掲載されました
Cybozu の小川さんとの対談が、インタビュー記事として、Enterprise Watch に掲載されました。「Web 2.0的キーマンに聞く」というタイトルがなんとなくアレなんですが、2時間くらいの話が上手にまとまっています。よろしければ、どうぞ。
「Enterprise Watch: Web 2.0 的キーマンに聞く 」
また、せっかくの機会なので、自分の考えをあらためて文章にまとめてみました。興味のある方は、続きをどうぞ。
記事の中でもふれていますが、個人的には「Web 2.0」という言葉自体には、あまり魅力や興味を感じていません。2005年くらいから、再び伸びつつある「ウェブベースのアプリケーション、サービス」が持つ、これまでのものよりも洗練されたインターフェイスは、ネットワーク環境のブロードバンド化やハードウェア性能の向上に支えられ、非常に魅力があるものに仕上がりつつあります。それを可能にしたのは、ブラウザの高機能化と互換性の向上やブラウザ間の差異を吸収するためのテクニックの進歩だと思いますし、もちろん、そのような技術的背景には興味がありますが。
これらの動きは、ブログの流行以前からずっとかわらず関係者がそれぞれ努力してきた結果でもありますが、結果が成果として結実するためには、それを利用する魅力的なアプリケーションと、そのアプリケーションが作り出すコンテンツは不可欠です。ブログを利用する人達が創り出しているコンテンツは、ひとつひとつは大したものではなくても、その総計はとてつもなく大きなものであり、これまでのルールを変革させる力があります。このような動きは、Web 2.0 とか、そういう言葉でまとめられるものではなく、もっと大きな流れの一部だと考えています。
これからも起こるであろう、さまざまな変化の例として挙げられる一つには、記事の中でもふれていますが、情報や知識の価値、扱い方の変化があると思います。情報の流通コストが低下し、情報の入手が簡単になると、情報量の格差を作ることは非常に難しくなり、人の知らないことを知っているだけでは不十分です。情報の活用方法から、新しい価値を創造できることが重要になりますし、情報の格差を作るためには、自分が一次の情報源、すなわち発明することがますます重要です。他にも、情報の透明性なども大きな変化として捉えてよいでしょう。
このような変革は、実はインターネットの登場以前から始まっていることなのですが、未だ始まったばかりといってもいいでしょう。特定の分野では進んでいますが、まだまだ一部の先進的な人達や好事家のものでしかありません。わたしたちは様々な要因でもたらされている社会的に比較的長いパラダイムシフトの中にいて、まだまだできること、やるべきことがたくさんあります。短期的なトレンドに惑わされず、次を見据えてがんばろうと思います。
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