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Spectrum Policy: Property or Commons?

スタンフォード大学ロースクールで開催されている、Spectrum Policy: Property or Commons? に来ています。FCCの関係者 や業界人、その他大勢が顔を並べて直接議論し合う、刺激的な会議です。日本でも有名なレッシグ教授が仕切っています。

誤解を恐れず簡単にいってしまえば「電波はだれのものか」というのがこの会議での議論の中心です。これまで、電波の分配は政府が一元的に、その後、市場原理やオークションの要素を取り入れてきていますが、分配された電波の利用は、一部を除くと排他的でした。しかし近年の技術の発達や無線LAN、特に 802.11b / WiFi の成功で、排他的な割り当てだけでなく、極一部でしかなかった「コモンズ」的な割り当てをもっと行っていいのでは、というのが議論の主旨です。こういった議論を行うことができる技術的な背景の説明や、経済的な効果、既存の電波との共存など含めて幅広い議論が行われています。

だれでも参加できるオープンな場で、一方的なプレゼンテーションやパネルでなく、聴衆を巻き込んで議論が行われている様は、日本ではなかなかできない経験だと思います。技術的に深い話はありませんが、空気がわかるという点では、わたしにとっても貴重な体験です。

議論を聞いていると、コモンズを作ったぞと言っている FCC と、もっと自由を、といっているデベロッパー、というような雰囲気でしょうか。今後、一定のルールに従えばライセンス無しに使える帯域が、5GHz を中心に増えていきます。2.4GHz のように安価で使い易い帯域となるかが、このコモンズを活用する上では大切です。ルールがないと無法地帯ですが、ガチガチなルールだったり、利用するためにコストがあまりにかかったりだと、解放したといっても、利用が進まないでしょう。シリコンバレーからFCCへの無言有言のプレッシャーって感じもします。

ちなみに、会場は当然 WiFi ready です。MAC address を事前登録しておくのですが、登録を忘れてしまった人も大勢いたようです。しかし、たちまち別のだれでもアクセスできるアクセスポイントが勝手につくられてしまいました。さすがです。さらにランチのテーブルはたまたまなのか、Mac だらけ。かなりマニアック...。

会場の模様をほとんどリアルタイムで blog している人もいます。Boing Boing や、Topic Exchange をみるといいでしょう。