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航空機とEMI

空飛ぶネット」にコメントをいただきました。ありがとうございます。

Re: 空飛ぶネット (査察報告書)


航空機内での電子機器の利用が問題になるのは、利用する電子機器から出る電磁波が航空機の通信や航法のための電波を妨害するためです。

せっかくなので、航空機とEMIについて思うところを書いておきます。

テロ後も変わらない航空機での携帯電話禁止 Elisa Batista (Hotwired Japan)


2001年9月11日、ハイジャックされた4機の民間旅客機から、乗客が必死の思いで携帯電話をかけた。そのことを思うとき、ワイヤレス技術のアナリスト、ジェリー・パーディー氏は、航空業界に対して2つの疑問を抱かずにいられない。

 航空機内での携帯電話の使用は、なぜ禁じられているのだろう? 業界が主張するように、携帯の電波が航空機の航行システムに支障をきたす恐れがあるのなら、なぜ乗客に飛行中の機内で携帯の電源を切らせるよう徹底しないのだろう?

 「危険だと証明できないのなら、無意味なことはやめるべきだ」とパーディー氏は言う。

この意見には賛同しかねます。安全か危険かわからないときは安全を選ぶほうがいいと思います。自分一人で飛行機にのっていれば、危険でもいいかもしれませんが、ほかの人も乗っているのですから。

問題なのは「どれくらい安全か、どれくらい危険かわからない」ということでしょう。飛行機の中で、普通の電子機器をつかっただけで本当に危険だったら、持ち込みを禁止するくらいでないと恐いです。ちょっと強力な電磁波発生装置がハイジャックやテロに利用されるかもしれません。

Re: 空飛ぶネット (査察報告書)


逆に言えば、あらかじめ機器が放出する電磁波について十分な調査を行い、通信・航法に影響が出ないことが確認できていれば使用しても差し支えないということになります。ボーイングが導入した無線LANについても、通信・航法に影響が出ないことを確認した上で運用していると考えられます。参考までに付け加えると、無線LANが使用する周波数は航空機が通信・航法に使用する周波数とは重なりませんので、今回問題になるのは無線LANの機器から放出されるノイズということになります。もちろん、周波数が重ならなくても出力が強い場合や周波数に一定の相関がある場合 (これは通信機器の設計に依存します) には障害が発生することがありますが、無線LANが使用する周波数と出力ではまず問題にならないでしょう。

周波数、出力については、全く同意見です。無線LANや衛星通信のための電波が問題になることは、たぶんないでしょう。本当に問題にしたかったのは EMI ってどれくらい本当に危険なのか、というポイントです。JALの機長組合のページに気になる情報が乗っています。ちょっと古い情報みたいですけど。

電磁波干渉(EMI)関連ページ


意図せざる動きアンケート報告 =電磁干渉の可能性を含めて=  その46

EICAS MESSAGEの異常
巡航中に、EICASのFUEL TOTALIZER INDICATIONが“0”の表示になった。
客室室内のチェックを行ってもらったところ、ファーストクラスの乗客がノートパソコンを使用中であり、電源を切ってもらったところNORMAL表示に戻った。

747-400 COPILOT

書いてある英語の意味はよくわかりません(おいおい)が、離発着時だけでなく巡行時も起きていますと書いてあります。また、航法や通信のための無線電波への干渉でなく、機器への影響です。同ページにはほかにもたくさんの報告や、いろいろ技術面の考察を含めて記載されていますが、さまざまな影響が考えられているわりに、対策はおざなりのようです。民生用の電子機器のノイズが重大な影響を与えるのであれば、飛行機の運行上、非常に危険です。そんなのこわくてのれません。

といいつつ乗っていますし、パソコン使えないとつらいです。

危険性をきちんと評価して大丈夫なら大丈夫なんでしょうけど、本当のところ、どれくらい評価していて、安全性はどれくらいなのか。100%にする、というのは非現実的ですが、どれくらいに評価しているのか非常に気になります。あぶないと思っていながら飛ばしている、とは思いたくありません...。

いちおう Hotwired には別の記事として


ボーイングの機内ネットサービス、米連邦航空局が認可

米航空機メーカー大手のボーイング社は7日(米国時間)、機内インターネット接続システム『コネクション・バイ・ボーイング』が、米連邦航空局(FAA)の認可を受けたと発表した。同システムは、通信衛星経由でブロードバンド接続サービスを提供するシステム。機内で電子メールやウェブ閲覧、TV放送などを利用可能。同社によると、この種のサービスがFAAの認可を受けるのはこれが初めてだという。

とありますので、安全なのでしょう。きっと...。

Re: 空飛ぶネット (査察報告書)


個人的には電波・電気通信関連の法律の兼ね合いで導入にもたつく事態になることを心配しています。このあたりは国によって規定が違うので気になりますね。

飛行機のなかは基本的には登録国ということになると思うのですが、電波もそうなのか、確かに気になります。2.4GHz帯 は出力はともかく、周波数が日、米、欧でだいたい一緒なので、実用的にはなんとかなるるでしょうけど、どれにあわせるのか。米国の人は、ヨーロッパにいるとき、日本の飛行機では使っちゃだめ、とかになるとややこしいですね。