広報学会の研究発表大会に参加してきました
今年の春くらいから日本広報学会というところに参加しています。News2uが法人会員になったのをきっかけに登録して、研究部会などにチョコチョコ顔を出したりしているのですが、広報学会では年に一回、研究発表大会がありまして、今回はよい機会かと思い、初めて参加した次第です。
今回の研究発表大会は11月6日、7日の二日間、京都産業大学がホストで開催されました。プログラムにあるように、初日は大学の神山ホールで、二日目は京都駅近くのキャンパスプラザで開催されました。最初に特別講演で上賀茂神社の田中安比呂宮司のお話を聞いたあと、マイアイ大学のスタックス教授が「米国でのCC(コーポレートコミュニケーション)教育の現状」というタイトルで基調講演を行いました。米国においては、大学院(主にビジネススクール)では戦略レベル、学部では戦術クラスの内容をそれぞれ教えていて間に溝ができていること、両方を学ぶ機会を、大学院、学部どちらでも作れていないことなどが紹介されていました。個人的には、広報やコーポレートコミュニケーションというものの教育を俯瞰的に見ることができて、とても興味深かったです。
二日目はそれぞれの研究発表です。今回は統一論題として「コーポレート・コミュニケーションの人材育成と情報集積」というテーマが設定されていまして、このテーマに沿ったものを中心に自由なテーマのものも含めて28の発表がありました。4トラックでの発表なので、もちろん全部は聴けなかったのですが、興味深い話が聴けたように思います。わたしもひとつ、News2u.net のアクセスログを使ったニュースリリースの比較的長期間の分析を発表しました。
この発表では、ニュースリリースが単に公開直後だけでなく、一年というスパンでみてもアクセスがそれなりに継続すること、また一部のリリースでは顕著なのですが、公開後一年以上たってからアクセスが発生する事例などを紹介し、その要因として、検索サービスからの誘導や、季節要因などが考えられることを説明しています。
ニューリリース自体は戦略、戦術のどちらかというと戦術のほうに類するものだと思います。ただ、どのようにニュースリリースを出すのか、例えば年間計画を立案したり、長期的な効果を狙ってニュースリリース出稿を行うときは戦略的な視点が不可欠だと思います。これまで、プレスリリースは記事に掲載されることを主目的するためどうしても戦術側に注力することが多かったと思いますが、長期的効果の側面にフォーカスをあてると、戦略的なニュースリリースの活用という方向が見えてくるのではないかと思います。このあたりは、今回の発表にとどまらず、継続的に調査、研究していきたいと思います。
ということで、秋の京都を2日間満喫した学会でした。大会を運営された日本広報学会の皆様、特に京都産業大学の先生方に感謝します。
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