dh memoranda

徒然なるままに日暮らしブログに向かいて...

MELCO は 802.11g

メルコが 802.11g ラインナップを発表しました。5.2GHz 帯の 802.11a を避け、802.11b との相互運用をしやすい 11g に集中するようです。価格も1万円台と、802.11a カードに比べて安いですし、どれくらい売れるのか注目です。低価格 802.11b カードを日本で最初に出荷して、この市場を牽引してきた感のあるメルコの動きだけに、他社への影響は少なからずあると思います。出荷は来年2月らしいので、実際に手にいれるまでには、少々待つ必要がありますね。

メルコ、IEEE 802.11g対応製品を2003年2月出荷開始 メルコ、IEEE 802.11g対応製品を2003年2月出荷開始 ~IEEE 802.11a製品は打ち切りに

 株式会社メルコは12日、IEEE 802.11g規格に対応した新製品を発表した。今後、同社の無線LANの主軸は11gにシフトすることになる。

自宅で 802.11b 対応の機器をデスクトップ、ノート両方で使っているのですが、なんでもブロードバンドのためか、最近ファイルサイズがどんどん膨らんでいるような気がします。デジタルカメラでとったネコの写真ですら数十メガバイトもありますし(とりすぎ)、買ったCDをリップして作った mp3 ファイルも PowerBook G4 の中に数ギガバイトあります。自宅内に LAN がある人にとっては、11Mbps の帯域をシェアして、っていうのは、もうそろそろ厳しいところに近づいていますから、802.11g の max 54Mbps (現実には 20Mbps くらいかな) ってのは、とりあえず助かります。いま使っているAPのカード差し換えくらいで使えると嬉しいんですが...。

802.11系の機器では、セキュリティと帯域が課題としてあります。もともと、有線の Ethernet の延長で考えていたため、セキュリティなんてあんまり考えられていなかったこと、標準化の検討に時間がかかり、想定していたセキュリティレベルでは力不足になってしまったこと、予想以上の低価格化がすすみ、それに従って普及や用途や拡大してしまったので、問題が深刻化しています。こちらに関しては、802.11 の標準化のほうでも検討がすすんでいますし、いくつかの対案がでていることから、いずれ解決すると思いますし、短期的、自衛的には、ssh などアプリケーションのほうで解決していくしかないか、と思います。

また、2.4GHz のような免許不要の帯域はみんな使いたいところです。家庭内での無線の有益さにみな気付いていて、映像伝送、音楽伝送、制御系などにも利用されようとしているなか、無線LANと上手に帯域をわけあって利用することがいつまでできるか、結構問題がでてくるかもしれません。また、東京のように人口過密地域では、普及があまりすすみすぎると、隣家の影響も無視できなくなるかもしれません。

もうひとつ、問題となるのは価格でしょう。端末あたり1万円くらいの価格が実現しないと、いくら性能が良くないとなかなか使ってもらえないような気がします。PC が一台10万円ちょっとなので、NIC の値段も下げざるを得ない、と。

個人的には、5GHz 帯も使い方次第で、可能性が十分あるとおもうのですが、価格がこなれてしまった 802.11b に対抗できるだけのビジネスを作るのは容易ではありません。逆に、802.11b でビジネスするなら、低価格での競争を勝ち抜く覚悟も必要でしょうし、なかなか大変な世の中です。