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徒然なるままに日暮らしブログに向かいて...

レピテーションはだれのもの?

ちまたで、Biddersとヤフオクが戦っているようです。ことの詳細は、biddersのニュースリリースに書かれているのですが、ヤフオクでの落札履歴をbiddersから参照できないように、ヤフーが対策を始めたということです。

ヤフーの言い分としては、出品/落札する人が本当にその人か判断できないからリンクさせない、ということらしいですが、判断できたら認めるのでしょうか?穿った見方かもしれませんが、集めた個人情報自体を資産として考えていて、利用する人から参加費用の名目で料金を集めていきたいようにも思えます。サービスの対価としての料金は認められるべきでしょうが、いわば個人情報ともいえる落札履歴、評価(レピテーション)は、自分であってほしいし、他人の勝手にはさせたくありません。

プライバシー情報を含む自分についての情報は、自分がコントロールできるようになっていてほしいものですが、人に預けた段階で勝手に一人歩きを始めます。プライバシー保護についてのいろいろな考えや方法もありますが、結局人間の善意と誠意に依存する部分が多く見られます。これらを否定する気はありませんが、一人歩きを防止するのは根本的に困難ですし、推進するようなことはしてほしくありません。

プライバシーについてはいくつもの考え方があります。プライバシーの保護を訴えるのは、社会的にいけないことをしているからだ、とか、犯罪者をこそ利するとか。だからといって、プライバシーを暴かれて気持ちのいい人というのは、ほとんどいないと思います。問題はプライバシーの保護の度合いに隔差があることで、知っている人ほど有利に働くことが多いからでしょう。

しかし、プライバシーの保護意識がすすめば、逆に知っていることがマイナスに働くこともあるかもしれません。プライバシーを保護するためのコストは日々増加していますし、将来、プライバシー情報を蓄積、保存すること自体が犯罪的に思われるかもしれません。

個人的には、プライバシーの持てない世界、徹底した透明性というのも一つの行き付く先かと思いますが、政府や個人、団体など、情報の隔差にそ価値を感じる組織が多数ある現在、現実のものにするのは困難でしょう。David Brinの「Transparent Society」にもあるように、技術は使いようで、結局はわたしたちの選択にかかっているのです。