SONY CSL OpenHouse2003

たまたまですが、SONY CSL(Computer Science Laboratories)のオープンハウスにおよばれしたので見てきました。わたしも楽しみにしていたのですが、他の方にとっても、とても感心が高いのか、満員御礼、入場制限状態でした。内容について、というよりも、見た感想をつらつらと書いてみます。撮影禁止! って書かれていたので写真はないのですが、詳しい内容は、PC Watchにレポートされているので、そちらでも見てください。

まず感じたのは、基礎研究と実用研究の境界にいる雰囲気です。技術には理論と実践の二つの側面があり、両方ともきちんとしていないと使えるものになりません。そのわりには、アカデミックな世界では両方をこなす人はそんなに多くないように思いますが...。この研究所では、両方あってバランスがとれているように感じました。

実用に近いところに、インタラクティブ系の研究があったように思います。フィードバックがある液晶タッチパネル、静電容量センサなどを利用して、いまそこにある要素技術を基に新しいインターフェイスや利用方法をきちんと考えるという手法や方向性は、どんどん複雑になる家電製品やAV機器を作っているソニーとしては、ますます重要になるでしょう。デジタルデバイドという言葉、最近聞かなくなりましたが、その解消のためには、こういった分野の発展がとても重要です。

個人的に感心したのは、デバイスの使い方とデモの完成度です。予算が潤沢にあるのかどうか知りませんが、プロジェクタを壁でなく、机に向かって投影し、パーソナルデバイス化するとか、802.11bをセンサデバイス化するとか、現在の普通の人では、金銭的に実現が困難な使い方が随所に見られました。増井さんの富豪化理論研究の実践の現場を垣間見れたような気がしました。デモも一般の人が見ても十分楽しめるように、細部まで気を使っていたように思います。こういったポイントは「わからない人もにわからせなければならない」という、あらゆる場面でも起こりうる難題への、一つの解決策でしょうか。

と難しそうなことを書いてみましたが、結論は、ソニーはまだまだこれからも楽しみな会社であると思った、です。プロジェクタ、ほしいかも...。